養命酒ライフスタイルマガジン

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ハーブを味わう

暮らしに潤いと癒しを与えるハーブの特集、第一弾!お料理やお茶など、お手軽・簡単なハーブの「味わい方」をご紹介します!

西洋でも東洋でも、人々を癒し続けてきた「ハーブ」

「ハーブ」を辞書で紐解くと「香辛料として用いたり、民間療法に利用したりする香草・薬草」とあります。一般的にハーブというと、ローズマリーやセージなど西洋のものを思い浮かべますが、広い意味では東洋で薬草や香料として利用されていたものも、ハーブに含まれるということ。たとえば、皆さんよくご存知のとうがらしやしょうが、にんにくなどもハーブの一種であり、日本に伝わるわさび、三つ葉、山椒なども含まれます。また、西洋では肉料理やウスターソース等に使われる「クローブ」というハーブは、東洋では「丁子(ちょうじ)」と呼ばれ、日本でも古くから愛用されていました。このような、東西で呼ばれ方は違うけれど、実は同じもの、というものがたくさんあります。

ハーブにはそれぞれ、健康効果が期待できるものもありますが、お薬ではないので、即効性はありません。しかし、独特の香りが「癒し」をもたらすとともに、お肉やお魚、煮物などと合わせると食材のよさが引き立ったり、お茶などとして取り入れると沈静、リラックスに繋がるといった作用もあります。

暮らしの中でのハーブの取り入れ方は多種多彩。そこで今回はハーブを「食べる・飲む」ことに絞ってご紹介しましょう。

それぞれのハーブと、お料理の相性&使い方

最近では、スーパーなどでもドライ(乾燥)ハーブをはじめ、フレッシュ(生)のハーブを見かけるようになりました。ハーブをお料理に取り入れてみたいな、と思っても、何をどの料理に使ってよいのか、イマイチわからないという方も多いのでは?そこで、それぞれのハーブとお料理の相性、および使い方についてご紹介してみましょう。ぜひ普段のレシピに活用してみてくださいね。

肉料理に使おう!!
(セージ、オレガノ、ナツメグ)

セージは「スッキリ系」。フレッシュ、ドライともに脂っこい料理がさっぱりとした仕上がりになります。特にラムなどクセのある肉料理に使うのが効果的です。
オレガノは「スパイシー系」。独特のほろ苦さもあり、フレッシュよりもドライのほうが強い風味を持っています。肉料理の際、塩、こしょうとともにまぶしたりして利用しましょう。ピザとの相性も抜群。フレッシュのオレガノの葉をそのままピザに乗せても楽しめます。
ナツメグは、ほのかな甘味とスパイシーな香りが両立。少量の粉末をひき肉に練り込んでハンバーグやミートソースに使ってみましょう。ナツメグは大量に使うと中毒を引き起こす可能性もあるので十分注意してください。

魚料理に使おう!!
(ローズマリー、フェンネル、タラゴン)

ローズマリーは、魚はもちろんお肉やジャガイモなどの野菜と相性抜群。どんな料理にも合うハーブ界の万能選手です。お魚の上にそのまま乗せて焼いてもよし、バターと合わせてムニエルにしてもよし、です。香りが強いので少量を使うようにしましょう。
フェンネルは、生薬でいうところの「茴香(ウイキョウ)」のこと。緑色の葉の部分は、魚に乗せて焼くと臭い消しになるとともに、上品な香りをもたらしてくれます。たまねぎ状の根の部分はポトフなどの煮込み料理やサラダに使いましょう。
タラゴンは、俗称“西洋よもぎ”。酢やワインに漬け込んで出来るタラゴンオイルやタラゴンビネガーを料理に使うようにすると便利です。

煮込み料理に使おう!!
(ローリエ、タイム、クローブ)

ローリエは、ご存知「月桂樹」のこと。カレーやシチュー、ポトフなど、煮込み料理の鍋に葉を3枚程度入れておくと、お肉などの臭みを消しつつ、程よい香りづけとなります。
タイムは香りが強く長持ちするため、煮込む最初の段階から鍋に落としておいてもOKです。このローリエとタイムを、セロリやパセリとともに束ねた「ブーケガルニ」は、煮込み料理の鍋に入れるものとして欧州ではお馴染みのもの。ブーケガルニとは「香草の束」という意味合いです。
クローブは、カレーのスパイスなどにも使われるハーブ。粉末状のものは黒こしょうやガラムマサラなどと混ぜ、お肉の下味づけにしても効果的です。

エスニック料理に使おう!!
(コリアンダー、レモングラス)

コリアンダーは、中国では「シャンツァイ」、タイでは「パクチー」と呼ばれる、アジアを代表するハーブ。クセが強いので苦手な方もいらっしゃるかもしれません。フレッシュのコリアンダーやサラダやスープ、おかゆにも合いますし、ナンプラーやサンバルソースで味付けした焼きそばや焼きうどんにのせても美味しくいただけます。
レモングラスは、文字通りレモンの香りに似たスッキリ感あふれるハーブ。タイ料理のトムヤンクンには必須です。唐辛子とレモングラスの茎の部分をみじん切りにしてお肉や魚に振り、放置してしみこませた後に焼くとエスニック料理に早変わりします。

サラダに使おう!!
(チャービル、チコリ、チャイブ)

チャービルはセリ科のハーブ。“グルメのためのパセリ”とも呼ばれています。熱を通すと香りが弱まっていく性質のため、生のまま食すサラダとの相性は良好。特に、気品あふれるレースのような葉っぱの形状がサラダによく映えます。
チコリは、昨今スーパーなどでもよくみかけるようになりました。「アンディーブ」とも呼ばれ、一般的に白い芽の部分を食します。ほのかな苦味と、シャクッとした歯ざわりが心地よいハーブです。
チャイブは「セイヨウアサツキ」「エゾネギ」とも呼ばれるハーブ。ネギに似た食感がありつつも、クセはそれほど強くありませんので、どんな料理にもよく合います。花のついたままのチャイブはそのままスープに浮かべてもよいでしょう。

パスタに使おう!!
(バジル)

オレガノなど、パスタに合うハーブはいくつかありますが、やはり代表格といえばバジル。イタリアではバジルをペースト状にしてストックしておき、パスタをはじめ肉料理などに合わせて使います。茹で上がったパスタと合えるだけなので簡単です。イタリアの地名をとって「ジェノベーゼペースト」とも呼ばれるバジルペーストの作り方をご紹介しましょう。

バジルの葉 30枚
松の実 40g
にんにく 1/2片
パルメザンチーズ 50g
小さじ2
オリーブ油 1/3カップ

作り方

バジルは葉を切り取って使用します。切り取ったら水気を切っておきましょう。

松の実を炒ります。炒り終えて余熱を冷ましたら、オリーブ油以外の材料をフードプロセッサーやフードミルに入れ、オリーブ油を少しずつ入れながら混ぜます。

オリーブ油は大さじ1杯程度残しておいてください。できあがったら煮沸消毒したビンに入れ、その上から油を垂らして表面を覆います。冷蔵庫で保存してください。

沈静、リラックス、リフレッシュ・・・ハーブティーの美味しい淹れ方

ハーブの香りを効率よく楽しめる手法のひとつが、「お茶として飲む」ことです。お茶の場合も、乾燥したドライハーブ、青々とした生のフレッシュハーブ、双方とも利用できます。基本的には紅茶を淹れる際と同じ。淹れ終えた後、酸味のあるハーブであればハチミツを加えたり、ミントティーにミルクを加えたりしても楽しめます。

ドライハーブティーの淹れ方

【1】ティーポットにハーブを入れる。ティースプーン山盛り1杯、3グラム程度が一人分。硬い実のハーブは、あらかじめスプーンの背などで潰しておきましょう。フレッシュハーブの場合は、水気を切ってから手でちぎって入れます。ドライハーブの2~3倍の量が目安です。

【2】沸騰したお湯を注ぐ。1人分は150ml~180ml程度。香りを逃さぬよう、すぐにフタをしめましょう。

【3】フタをして3~5分程度蒸らすと色濃くなっていきます。抽出されやすい葉のハーブならやや短めに、硬い実や根のハーブはやや長めに蒸らすのがコツ。

【4】注いでできあがり。ポットやカップはあらかじめ温めておくと、ベター。通常のお茶と同様に、残さずに注ぎきってしまいましょう。

淹れる前には、ハーブ選び。以下にハーブティー向きのおすすめハーブの種類と、香りや味をまとめてみましたので、購入する際にはぜひ参考にしてみてください。

エルダーフラワー
マスカットのような甘い香り

カモミール
ほのかにリンゴのような香り

ペパーミント
ご存知、ミントの香り

マリーゴールド
香り薄め。他のハーブとのブレンドがお勧め

ハイビスカス
鮮やかな赤。酸味強め。ハチミツを入れても◎

ジュニパーベリー
ヒノキ科の杜松(とち)の実。木と果実の香り

カルダモン
スパイシーで生姜に似た清涼感

ローズヒップ
ビタミンCが豊富。心地よい酸味。

ワイルドストロベリー
番茶に似た香り

ご注意!妊娠中に控えるべきハーブ

ハーブの中には、妊娠中には避けるべきものがいくつかあります。サフラワー、ジュニパーベリー、セージ、タイム、ヒソップ、レディスマントルなどの大量摂取はるようにしましょう。ハーブをお買い求めの際は、お店の方に禁忌の有無を確認するようにしてください。