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たまごの恵み

私達の食卓に欠かせない「たまご」には、どんな栄養パワーが秘められている?目玉焼きやたまごかけご飯など定番料理のコツや、知っておくと便利なたまごの知識についてお送りします。

栄養の宝庫!にもかかわらず、一部で敬遠されているのはナゼ?

たまごは、貴重なたんぱく源です。たんぱく質は人間にとってとても大事な栄養素のひとつ。たんぱく質が足りないと肌や髪につやがなくなり、筋肉も衰えて疲れやすい体になってしまいます。

たんぱく質を形作っているのは、ご存知アミノ酸。アミノ酸は私達のカラダの中で合成されますが、中には体内で作れないもの、つまり外部から取り込む必要があるもの(必須アミノ酸)もあります。この必須アミノ酸を数種類含む、貴重な供給源として、たまごは理想的な食材なんです。

たとえば「メチオニン」というアミノ酸。これは肝臓において、アルコールや体内に蓄積された毒素(アンモニア)を分解する手助けをします。つまり、お酒の肴としてもたまご料理は良いということ。健康を大きく左右するにもかかわらず、頑丈なため諸症状が出にくいことから“沈黙の臓器”といわれている肝臓ケアに一役買ってくれるのです。ちなみにメチオニンはシジミにも多く含まれていて、昨今ではシジミエキス配合のサプリなども人気を博しています。

卵白に含まれている酵素のひとつ、リゾチームは、殺菌・抗菌効果を促し、免疫力を高めてくれるもの。風邪などの諸症状に効果が期待できます。

こんなに栄養価が高いにも関わらず、たまごには「太りやすそう・・・」といったイメージを抱いている方も多いのでは?それはひとえに「コレステロール」の問題です。

コレステロールとは脂質の一種。細胞膜を作るなど、人間のカラダに必要不可欠といえますが、血中のコレステロール値が高くなると血管の壁に付着してしまい、高脂血症を引き起こしてしまうこともあります。

たまごにコレステロールが含まれているのは事実ですが、近年の研究では卵白に含まれる脂肪酸(レシチン)が血管壁のコレステロールを落とす効果が期待できるという報告もあります。

やはり何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし。1日に何個も摂取せず1~2個に留め、高脂血症の方は摂取を控えるなどして、上手にたまごと付き合っていきましょう。

定番卵料理 美味しく仕上げるワンポイントアドバイス

手の込んだものから至ってシンプルなものまで、私達の食卓には多彩なたまご料理が並びます。目玉焼きなどの定番料理も、ちょっとした工夫でさらに美味しさに磨きがかかること、ご存知ですか?さっそく明日から活用してみてください。

ゆでたまご

熱湯にたまごを入れるだけでできる、ゆでたまご。
美味しさはさほど変わらないものの、やり方によって殻が途中で割れてしまったり、むきづらいといった状況になりがちです。
回避する方法としては、まず「室温に戻したたまごを使うこと」。急激な温度変化に対応するためです。「水の状態から茹でる」「湯に酢を少々たらす」「茹で終わったら流水で冷やす」ことも効果的。半熟にしたいのなら沸騰から6分前後、固ゆでにしたいなら沸騰から10分前後が目安です。

目玉焼き

目玉焼きは、人によって好みが分かれる料理のひとつ。黄身を半熟にしたいのなら、弱火で調理しましょう。裏面に火が通った頃(白身にある程度火が入った頃)を見計らって、水を30ccほど入れてフタをします。1分くらい経ったらフタを開けてみて、もうちょっと固めがいいなと思ったら再びフタをして調整しましょう。黄身が固めのほうがお好みの方も、この方法で調節できます。水はいれすぎると、白身のふちがカリカリの状態になるため、少なめにすることがポイントです。基本は「弱火」ですよ!

スクランブルエッグ

ふんわりふわふわの食感が楽しめるスクランブルエッグ。
オムレツなどにもいえますが、ふんわり感を出したい料理の場合は、たまごをかき混ぜすぎないことがポイントです。
たまご2個にミルクを大さじ1杯くらい入れて、ゆっくりとかき回します。フライパンを熱し、油を引いてサラリとしてきたらそこに投入。このときフライパンの熱が不十分だと、たまごがくっつきやすくなりますので要注意。さらに投入後は慌ててかきまぜないことです。
また、仕上げは「まだちょっと火の通りが甘い」くらいがベスト。フライパンに余熱があるので、お皿に移すころにはちょうどいい塩梅になっているはずです。

たまごかけご飯

巷で静かな人気を博している、たまごかけご飯。
たまごを割り、醤油とまぜたものをご飯にかけるのが一般的ですが、たまごをダイレクトにご飯の上にかけ、その上から醤油を垂らして少々かき混ぜるのもオススメ。味の「濃い部分」と「薄い部分」が生じ、飽きずに食べ進めることができます。また、醤油のかわりに納豆についているタレを使っても美味。かつおぶしを少々乗せて一緒にかき混ぜても美味しく仕上がります。

温泉たまご

文字通り、温泉(源泉)に浸しておいて作ったことからその名がついた温泉たまご。
黄身は65度くらいから、白身は75度くらいから固まり始める特性を利用した調理法です。沸騰したお湯ではなく、低めの温度で茹でることで出来上がる、というわけですね。料理用温度計で70度くらいをキープして茹でる方法もありますが、もっとも手っ取り早いのは、丼などの器に生たまご(殻のまま)を入れて、そこに沸騰したお湯を注いでフタをする方法。使用している器の素材や室温などにより微妙に変化しますが、おおよそ20分くらい放置すれば、ほどよい加減の温泉たまごが出来上がります。

知っておくと便利!!たまごの豆知識

たまごは「賞味期限切れ」でも食べられる!?

最近は、たまごの殻に賞味期限が印字されているものをよくみかけます。

一般的にたまごの賞味期限は「生で食べることができる期限」のこと。よって、たとえ1日くらい過ぎていたとしても加熱調理すれば食べることが可能です。ただし生鮮食品には変わりないため、なるべく早く食べ、半熟などではなく「固め」に調理することを心がけましょう。

色に惑わされることなかれ!

殻の色が褐色を帯びているたまごが最近よく売られていますよね。なんとなく「褐色のほうが栄養価が高い」ようなイメージを抱きがちですが、これは鶏の品種の違いによるものです。殻の色そのものと栄養価は無関係といえます。同様に、黄身の色も鮮やかだからといって鮮度がよいとは限りません。これは餌の違いによるところが大きいといえるでしょう。

たまごは「尖ったほう」を下にして保存

たまごには、目に見えない無数の穴(気孔)が開いていて、内部の水分や炭酸ガスを外に排出する役割を担っています。丸みを帯びた部分よりも尖っている部分のほうが気孔の数が少ないため、強度があるんです。安定を考えるとつい丸みを帯びた部分を下にしてしまいがちですが、尖ったほうを下にして保存するようにしましょう。より鮮度を保つことができます。

「L」と「M」では、黄身と白身の比率が違う!

たまごには「M」や「L」といったサイズ表記がなされていて価格もそれぞれ違いますが、覚えておきたいのは、黄身と白身の比率が違うということ。黄身の比率がもっとも高いといわれているのは「M」で、「S」サイズや「J(ジャンボ)」サイズは白身の比率が高くなります。ふんわりと泡立てて調理したいオムレツなどには白身比率の高いものを、黄身の濃厚な旨味を味わいたいたまごかけご飯などには黄身比率が高い「M」サイズを用いるのがオススメです。

白いヒモ状の「カラザ」もいっしょに食べよう

黄身からヒョロリと伸びている白いヒモ状のものは「カラザ」といい、黄身を常にたまごの中心に位置させるスプリングのような役目を担っています。外部から入る可能性のある細菌から、もっとも遠い位置(つまりたまごの中央)に黄身を据えておくためのものです。箸で取り除いて食べる人もいますが、カラザの主成分はたんぱく質。カラダにいいのでなるべく食べるようにしたいところです。