養命酒ライフスタイルマガジン

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北欧的健康生活

今月のテーマは「北欧」のライフスタイル。シンプルかつスタイリッシュな暮らしがココロとカラダに安息をもたらす北欧諸国の暮らしぶりを覗いてみましょう。

日本で北欧的健康生活!

昨今は、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーといった「北欧諸国」が静かなブーム。携帯電話の「ノキア」や自動車の「ボルボ」といった産業も盛んな一方で、アートやデザイン、インテリアなど「心のゆとり」から生まれる文化も普及。家族の団らんや地域との触れ合いを大切にし、働くときはしっかり働き、休むときはしっかり休む・・・そんなライフスタイルが日本のみならず世界から注目されています。

そんな北欧の文化に触れるには北欧を旅するのがいちばん!行きたい!でもなかなか行けない・・・遠い・・・というのがホンネですよね!?そこで日本にいながらにして北欧の文化に触れられるショップやアイテムをいくつかご紹介してみましょう。

Biotope[家具・雑貨etc]

北欧デザインの陶器、ガラス製品、小物雑貨、家具などが揃うお店が「Biotope(ビオトープ)」。
1950~60年代に活躍していたデザイナーのものを中心に、繊細でありながらどこかのどかな印象だったり、現在のメーカーではあまり作らないような面白味のあるアイテムを取り揃えているのが特長です。

フィンランドの陶磁器メーカー「アラビア」などのヴィンテージを中心に、ゆったりとしたお茶の時間が過ごせるようなカップ&ソーサーなどの食器類の品揃えが豊富。公式サイトではネット通販も展開中です。サイトではデザイン関連の書籍やビンテージ物の絵本なども取り扱っています。ぬくもり溢れるアイテムに囲まれた「北欧的生活」をぜひ楽しんでみてください。


◇Biotope
住所:東京都世田谷区下馬5-16-1
TEL:03-3414-9225
http://www.biotope.biz/index.php

EGGPLANT EGG[食器・ファブリックetc]

福岡にショップを構える「EGGPLANT EGG(エッグプラントエッグ)」は、北欧の60年代・70年代のヴィンテージ食器、ファブリック、小物を中心に生活雑貨を取り揃えています。「アラビア」をはじめ、ノルウェーのテーブルウェアブランド「ポースグルン」、陶磁器の「フィッギオフリント」などが揃う中、目を引くのは“かわいいイラスト”の入った品々。さすが、童話作家アンデルセンや「ムーミン」の作者トーベ・マリカ・ヤンソンなど多くの童話・絵本作家を生んだ北欧です。お皿やカップなどにも、色鮮やかで楽しげな世界が描かれています。これも、長く厳しい冬を自宅で楽しく過ごす術、といえるでしょう。ぜひサイトをチェックしてみてください。


◇EGGPLANT EGG
住所:福岡県福岡市中央区薬院4-2-13-201
TEL:092-526-0755
http://eggplant-egg.com/

リラ・ダーラナ[北欧料理]

スウェーデンを中心とした北欧の家庭の味を楽しみたいなら、六本木の「リラ・ダーラナ」がオススメ。「ダラーナ」とは、湖と森が広がるスウェーデン中央部のダラーナ地方のこと。のどかで牧歌的な風土をそのまま表現したかのような店内に一歩足を踏み入れると、田舎の小さな一軒家に招かれたかのよう。ジャガイモ、ノルウェーサーモン、ニシンを中心とした、「Husmanskost」(ヒュスマンスコスト)と呼ばれる家庭総菜料理が楽しめます。
北欧料理の定番ミートボールをはじめ、ダーラナランチ伝統の味「オバジン」や「北欧風カツレツブルーチーズ詰め」「和牛の赤ワイン煮込みビーツのピクルス添え」など魅力的なメニューが目白押し。ランチやケータリングサービスも実施しています。
素朴でありながら上品な味わいをぜひ。


◇リラ・ダーラナ
住所:東京都港区六本木5-9-19 パールビル1F
TEL:03-3478-4690
http://www.dalarna.jp/

カフェデイジー[デンマーク料理]

デンマークの人々が大切にしている「ヒュッゲ」という言葉があります。意訳すると「人々が集って生まれる心地よい空間」。
そんなぬくもり溢れる空間を演出しているデンマーク料理レストランが「カフェデイジー」。サーモンのマリネやニシンの酢漬け、ウナギのスモーク、ミートボール、レバーパテなどデンマークの伝統料理を中心とした料理ラインナップです。3種類の自家製パンも自慢の一品。ランチタイムでは、このパンを薄くスライスした上に魚のマリネや新鮮な野菜などを乗せて食べるデンマークの一般的なランチメニュー「オープンサンド」が人気です。
充実のディナーは、ジャガイモを原料としたデンマークのお酒「アクアビット」やワインにピッタリ。お店で実際に使っているキッチンウェアや小物、照明器具などの販売も手がけています。


◇カフェデイジー
住所:東京都港区六本木7-3-22
TEL:03-5411-0253
http://www.cafedaisy.com/

映画『かもめ食堂』で、北欧の「デザイン」と「ゆったりした時間」を体感

北欧のゆったりとしたライフスタイルをよく表している日本映画があります。2006年に公開された『かもめ食堂』です。映画のロケはすべてフィンランドで行なわれました。
舞台はフィンランドの首都、ヘルシンキ。「かもめ食堂」という名の日本料理店を中心に、3人の女性が繰り広げる、心温まる物語です。小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさんといった味のある女優さん達が清々しい演技を見せ、北欧のライフスタイルがよく表現されています。食堂のインテリアや食器などの小物も見どころのひとつ。家具はフィンランドを代表する建築家兼デザイナー、アルヴァ・アアルトの一品。食器は「イッタラ」。もたいまさこさんが着る洋服は「マリメッコ」。飾り立てずシンプルでありながら、寂しさを伴わないオシャレ感。そんな北欧らしさを、ぜひ映画を通して眺めてみてはいかがでしょう。

「日照時間」がもたらした「インドアの文化」

北欧の風土といえば、皆さん何を連想しますか?「森」や「湖」といった意見もあると思いますが、世界的にみて大きな特徴といえるのが「白夜」です。

一日中、太陽が沈まない「白夜」。皆さん一度は旅行などで体験してみたいなと思うかもしれません。ただし冬場は、その逆です。昼下がりの3時頃には暗くなり、長い夜が始まります。さらに緯度も高いですから冬は「寒さ」も加わることになります。

この「冬の日照時間の短さ」がもたらすものは何か?お日様の元で生活する時間帯が大幅に減りますので気分が沈みがちになり、「うつ病を患う人が多い」という社会問題も確かにあります。

しかし、その状況を打破するために長い年月をかけて、北欧の民はさまざまな「インドア(家の中で楽しむ)文化」を創ってきました。心を健やかに保つための、ひとつの知恵といえます。長い夜をくつろいで過ごすための「音楽」「読書」「編み物」「アート」「映画」、快適に暮らすための住宅づくりやインテリア、とりわけ木材を使い、温かみのある北欧の家具は今や世界的に有名なブランドとなっています。同時に運動不足を補うために「ヨガ」なども盛んです。もちろん「アウトドア」でも夏は風土を生かしたトレッキングやボート、冬はクロスカントリースキーなど、運動不足を自覚していそしむ人も増えています。

「国」が備える、福祉大国

「備えあれば憂い無し」という言葉があります。この「備え」を個人で賄っているのが日本だとしたら、北欧諸国は「国」が備えてくれている、といえるでしょう。ここでスウェーデンの福祉の例を紐解いてみます。

まず、育児休暇は480日。そのうち390日分は、国が給与の約8割を負担。もちろん男性もこの恩恵を授かれます。医療費は20歳まで無料。学校も大学まで無料。さらに卒業後に返済する奨学金も国から与えられるため、日本のように「仕送り」で生活を賄う文化が一般的ではありません。そして、手厚い公共の高齢者介護。まさに「ゆりかごから墓場まで」といえるでしょう。

もちろん、これら公共サービスは税金で賄われています。日本のように一律ではありませんが、スウェーデンの消費税率は25%。他の北欧諸国も軒並み高い税率です。もちろん、この高い税率にまったく不満の声があがらないわけではありませんが、皆、納得して税金を納め、その見返りに高い水準の公共サービスを受けている現状です。

そのため、福祉が充実している北欧の人々は「貯蓄する」考えがあまりありません。日本人は将来の不安から、少しでもお金を貯めておきたいと考える心理が働きます。これは当然のことですよね。「備え」は自分がしなければならないからです。一方、北欧諸国の人々の「備え」は国が担当しますので貯蓄はあまり考えず、お金を生活費に充てます。

これからますます少子高齢化が進む日本。果たして日本の福祉が北欧諸国のような水準になれるのか?ここで大切なのは、「それだけ税金を納めてもいい」と納得する「材料」があるかどうかです。北欧諸国では福祉予算の透明化がなされ、どのように税金が使われているのか分かりやすい状況にあります。それを国民が見て納得して税金を払っている、というわけです。日本が福祉国家となるためには、まずはこの「透明化」からという気がします。

北欧の優れた食文化

北欧の国フィンランドの食生活は昔から機能的で、健康増進や病気の予防に役立ってきたそうです。
北欧の優れた食文化


亜麻種子