薬用養命酒CMメイキング

放映中のテレビCMとそのメイキング風景をご紹介致します。

薬用養命酒CMメイキング

テレビCM映像

Flash Player がインストールされていません。

Get Adobe Flash player

タイトル: 薬用養命酒CM 15s ver/30s ver
映像: チームラボ株式会社
音楽: 渋谷慶一郎

今回、クライアントである薬用養命酒の広告チームから、薬用養命酒のもととなる14種類の生薬にフォーカスを当てた広告を創って欲しいという相談を受けました。「薬用養命酒」は、14種類の生薬を、そのまま原酒に浸け込んで造ります。薬効のある天然の産物を、有効成分を精製することなく用いる生薬。僕らは、まず、その生薬のもととなる薬草たちを見るために、長野にある薬用養命酒の研究所を訪ねました。普段、生薬のもととなる薬草たちを、観る機会はありません。実際に見てみて、生命力に満ちあふれていて、美しいと思いました。大自然の中で造られていく薬用養命酒の工場を見て、ケミカルではない、自然の中で育まれた薬草の良さのようなものを強く感じました。そして、薬草が、本来、蝶などが飛び交う、大自然の中で、生命力を育んでいく様を描き、それを伝えたいと思いました。

「養命酒」が、約400年にわたる歴史があるものだということを知り、驚愕しました。僕らは、日本の先人達は、世界を今とは違ったように捉え、 自然と共に生き、自然の恩恵を今よりもっともらっていたと考えています。そして、日本の先人達が持っていた世界の捉え方のようなものが、きっと、これからの社会のヒントになるのではないかと考えています。 安土桃山時代や、江戸時代の日本美術の表現で、歴史の重みのようなものを感じてもらいながらも、今、自然の中で育っていく生命力あふれる薬草たちを表現したいと思いました。

そして、現代日本の先端を走っている音楽家の一人である渋谷慶一郎さんに、音楽を担当していただくことで、古典的な表現に、「今」を加えようと思いました。

チームラボ 猪子寿之

制作風景1

制作風景1

僕らは、日本美術の平面には、西洋社会のパースペクティブとは違う論理による空間が存在していると考えています。そのような考えの基、日本の先人たちの空間の捉え方を紐解き、論理化することにより、僕らはモチーフを、空間に立体物として創っていき、どのような角度から見ても、日本美術的な 平面化が起こるような映像を作っています。つまり、どのような角度から、どのタイミングで、空間を切り取っても、その絵が、まるで、手で書いたかのような日本画になるようにしています。そのような方法を使うことにより、映像用に創ったCGのモデルがまずあり、それを、新聞広告用のグラフィックや、Web用のグラフィックに書き出すという方法で様々なメディアに対応できるような創り方にしています。

映像ディレクター チームラボ 寺尾実

制作風景2

制作風景2

長野の研究所で、実際に生育している薬草の成長や、花の咲き方、特徴などを研究員の方々に解説して頂き、たくさんのインスピレーションを受けまし た。日本美術の特徴を生かしながら、古典的な日本画にあまり馴染みのない方々にも、自然に受け入れていただけるような優しいビジュアルを目指しま した。また、古典的な記号で表現する中で、記号の持ち合わせていない透明感や、光彩など、本来の日本美術が持っていたであろう部分を、デジタルで再表現 することで、現代感のようなものを感じられるような作品になったと思います。この試みが、新しい時代の日本美術への一歩となれば嬉しいです。薬用養命酒が持つ自然の奥深い力を描くことで、自然の美しさを表現できたと思います。

美術 チームラボ アダムブース

scene pick up
  • キャプチャ
  • キャプチャ
  • キャプチャ
  • キャプチャ
  • キャプチャ
  • キャプチャ
  • キャプチャ
  • キャプチャ
  • キャプチャ

映像の曲線的なイメージが強かったので、音楽も常に浮遊し続けているような不定型な感じにしたかった。それを繋ぎ止めているのが途中から出てくるピアノのメロディで、背後にある電子音のようなものも実はピアノの残響成分から作っていたりします。手触りがある音のほうがこのコマーシャルにはいいなと思ったので。

音楽 渋谷慶一郎

音楽制作:渋谷慶一郎(しぶや けいいちろう)

音楽家。東京芸術大学作曲科卒業。02年に音楽レーベルATAKを設立。09年ピアノソロ・アルバム『ATAK015 for maria』、10年1月には相対性理論とのコラボレーション作『アワーミュージック』を発表。また、複雑系研究者/東京大学教授・池上高志と音楽/科学を横断する共同作業を継続的に展開。最近ではTBSドラマ「SPEC」や映画「死なない子供、荒川修作」の音楽を担当するなど多面的に活動中。11年は国外でのサウンド・インスタレーションの発表が予定されている。

映像制作:チームラボ株式会社

ウルトラテクノロジスト集団チームラボは、プログラマ(アプリケーションプログラマ、ユーザーインターフェイスエンジニア、DBエンジニア、ネッ トワークエンジニア)、ロボットエンジニア、数学者、建築家、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、CGアニメーター、編集者など、様々 な、情報化社会のものづくりのスペシャリストから構成されている集団。主な実績として、産経デジタルのニュース・ブログポータルサイト「iza」。『花紅』他作品でミラノサローネ(07)に参加。au Design projectにて制作したコンセプトモデル携帯『actface』が文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品(07)。『花と屍(08)』を仏ルー ヴル宮内 国立装飾美術館で発表。「水墨空間『然』」が「ADAA大賞」他2賞を受賞(08)。 コニカミノルタプラザにて空間作品『百年海図巻(09)』を発表。奈良県平城遷都一三〇〇年記念映像作品「ICONO-NARASIA」を発表(10)。チームラボハンガーを PUBLIC/IMAGE.3Dにて発表(10)。

チームラボ株式会社
http://www.team-lab.com/

作品紹介
http://www.team-lab.net/