季節の変わり目の体調不良 春バテ要注意!

春先、約9割の人が心と体に
様々な不調を感じるといわれる「春バテ」。
1年の中でも気象状況が
目まぐるしく変化する春先は、
いつも以上にバテやすいため、
日頃の予防と対策が必要です。

テレビの健康情報番組などでもおなじみの
川嶋 朗先生が、
すぐに実践できる
「春バテ」解消法を伝授します。

profile

統合医療医。東京有明医療大学教授。日本で一番“冷えに悩む患者”を多く診てきた医療従事者として、冷えによる健康被害をメディアで訴えている。ベストセラー『心もからだも「冷え」が万病のもと』(集英社新書)など著書多数。

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春先に感じるその不調、実は「春バテ」かも?!

「春バテ」の大きな原因は気温差ストレスによる自律神経の乱れです

春先はポカポカ陽気が続いたと思えば、真冬並みの寒さに逆戻りと、一年の中で寒暖差が最も大きい季節。

2018年3月の最高気温の変動(東京都)

こうした気温の変化に対応するために働くのが自律神経ですが、気温の変動があまりにも大きいと、それがストレスとなり自律神経の働きが乱れてしまいます。自律神経には全身の血管や内臓の働きなど、体中の全ての器官をコントロールする働きがあるため、この働きが乱れると、疲れやだるさといった体の不調だけでなく、気分の浮き沈みが大きいなど心の不調にもつながります。そのため、春バテ解消には、自律神経を整えることが最も大切です。

自律神経を整えて春バテを解消する3つのステップ

step 01「自律神経の仕組みを知る」

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自律神経は、作用が相反する「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経から成り立っています。「交感神経」は心臓の動きを速くしたり、血圧を上下させて酸素を体のすみずみに送ったりなど、活動に備える働きをしています。一方、「副交感神経」には、心臓の動きを遅くして体をリラックスさせる働きがあります。通常はこの二つの神経が互いにバランスを取り合うことで、心身の調子が保たれているのです。

ところが、激しい寒暖差や環境の変化などのストレスが加わると交感神経が優位になるため、このバランスが不安定になり、疲れやだるさ、肩こり、便秘、冷えなどの症状が出やすくなります。このような春バテを解消するには、気温や環境に翻弄されがちな自律神経を正常なバランスに整えることが最も重要です。

現代人は交感神経が優位になりやすい 年齢を重ねると副交感神経の働きが低下し、交感神経が優位になる傾向にあります。また、仕事や人間関係などストレスを抱えることの多い現代人は、交感神経が優位になりやすく、自律神経のバランスを乱しやすいといわれています。仕事や家事などに頑張りすぎる人は要注意!

step 02「自律神経のバランスを整える」

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自律神経のバランスは、主に副交感神経が上下することでとられています。ですから、鈍りがちな副交感神経の働きをよくすることが、自律神経のバランスを整えるベストな方法といえます。では、副交感神経の働きをよくするもっとも効果的な方法はというと? ズバリ「体を温めて血流を改善する」ことです。交感神経が優位な状態が続くと心身がリラックスできず、血管を収縮し続けて血流が悪くなります。そこで、体を温めて血流を改善すれば副交感神経が優位になり、自然と自律神経が整う好循環が生まれるというわけです。

「かくれ冷え症」にご用心! これといって冷えの自覚はなくても、知らず知らずのうちに自律神経のバランスが乱れ、体のどこかに冷えが出ているかも。ここで瞬時にわかる冷え診断法をご紹介!朝、布団の中で脇の下に触れてみてください。次にその手をお腹の上に置いてみて、脇の下よりお腹の方が冷たいと感じたら、あなたの体は冷えています。

step 03「自律神経に効く温感リラックス法」

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血流を改善して自律神経のバランスを整える基本は、入浴習慣や体を温める食事、適度な運動などです。それに加えて、副交感神経が優位になり、体をリラックスさせる、「温め部位」を積極的に温めることで、春バテの解消により効果的です。

血流が多く太い血管が通っている首の後ろを温めると、効率よく全身に血液を行き渡らせることができます。

行い方

加温用のペットボトルに40度くらいのお湯を入れ、首の後ろに当ててくつろぎます。

就寝前、目のまわりを心地よい温度で温めると、短時間で副交感神経が優位になり、脳や体がリラックス。安眠効果や目の疲労回復効果も得られます。

行い方

水を絞って電子レンジで40度くらいに温めた蒸しタオルを、目の上に当ててくつろぎます。*タオルを電子レンジから取り出すときは、いったんタオル全体を広げて、熱過ぎないかどうかを確認してから使用しましょう

朝晩で気温の変動が激しい春先は、衣類での調節がむずかしいものです。常に貼るタイプのカイロを携帯し、冷えを感じたらすぐに貼って体を温めましょう。

温めポイント

仙骨の上は自律神経の通り道なので、ここを温めることで全身の血行がよくなり副交感神経のスイッチをすみやかにオンすることができます。

「春バテ」解消には、自分の自律神経の状態を知ること。 「春バテ」解消には、自分の自律神経の状態を知ること。

自律神経のバランスが乱れているかどうかは、
なかなか自覚しにくいものです。
毎年、春バテによる心身の不調に悩んでいる人は、
簡単なセルフチェックで自分の状態を把握し、
自分に合った対策を見つけて、
今年こそスッキリ気分で春を楽しみましょう。

自律神経の乱れ度にあわせて、春バテ対策を伝授!

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