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メタボの雑学

なぜ女性のほうが男性よりメタボ基準値が太めなの?やせている人や子どももメタボと無縁じゃない?!どんどん連鎖する「メタボリックドミノ」とは?――今月は「メタボ」の雑学をご紹介します。


なぜ女性のほうが男性よりメタボ基準値が太めなの?

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を放置すると、動脈硬化のリスクが高まるといわれています。そのため、日本では2008年より40歳~74歳を対象に「メタボ健診(特定健康診査)・特定保健指導」が行われています。メタボの基準は、おへその高さのウエスト周囲径が男性は85cm以上、女性は90cm以上。加えて、高血圧、高血糖、脂質代謝異常の3項目のうち2つ以上に当てはまると、メタボと診断されます。ウエスト周囲径の基準値は、日本肥満学会がCT検査で測定した日本人の内臓脂肪面積のデータに基づいて設定されていますが、なぜ体の小さな女性のほうが、男性より太めの値なのでしょうか?
理由は、女性のほうが男性より皮下脂肪がたまりやすいからです。男女ともに同じ量の内臓脂肪がある場合、女性は皮下脂肪が多い分だけウエスト周囲径も大きくなるようです。ただし、WHO(世界保健機関)の基準では、ウエスト周囲径が男性は84cm以上、女性は80cm以上となっており、諸外国ではいずれも男性のほうが太めの基準値になっています。これは諸外国では内臓脂肪ではなく、BMIやウエストとヒップのサイズ比などから基準値を設定しているためなのだとか。日本人女性のウエストが諸外国に比べて太いわけではないので、ご心配なく。


やせている人や子どももメタボと無縁じゃない?!

「私はやせているから、メタボとは無縁」と思っている人がいるかもしれませんが、メタボは太っている人だけの問題ではありません。メタボ健診でウエスト周囲径が基準値以下だった人でも、実は密かに内臓に脂肪がこってりたまっている“やせメタボ”である可能性があります。順天堂大学の代謝内分泌内科学・スポートロジーセンターの研究チームが日本人男性100人以上を対象にした調査によると、太っていなくても、高血糖、脂質代謝異常、高血圧のいずれかがある人は、生活習慣病の発症リスクが高まるそうです。
また、子どももメタボ予防とは無縁ではありません。肥満の子どもは、中性脂肪や血圧、血糖などの上昇をはじめ、HDLコレステロール値の低下が見られ、メタボ化している可能性が高いといいます。しかも、小児肥満の約7割は成人肥満に移行する可能性があるのだとか。そのため、厚生労働省では6~15歳を対象とした「小児期メタボリックシンドローム」の診断基準も設けています。やせメタボも、小児メタボも、生活習慣を見直すことで改善できるといいます。体型や年齢を問わず、健康的な食生活や運動習慣によって、メタボ化を防ぎましょう。


どんどん連鎖する「メタボリックドミノ」とは?

メタボを放置しておくと、症状が出ないまま動脈硬化症がひたひたと進行していきます。それによって腎臓に負担がかかり、慢性腎臓病や糖尿病を発症し、さらに心臓病や脳血管障害などを引き起こし、腎透析、網膜症による失明、神経障害による下肢切断といった重篤な事態にどんどん追い込まれていきます。まるでドミノの牌が次々に倒れていくように、さまざまな症状がどんどん連鎖的に進行することから、こうした一連の流れのことを「メタボリックドミノ」といいます。
「ベルトが最近きつくなってきたなあ…」「メタボ健診で引っかかりそうだなあ…」といった頃は、まだ病の自覚症状を感じないかもしれません。しかし、動脈硬化症が進行するにつれて、メタボリックドミノの牌がバタバタと倒れ出すと、もう後戻りすることは困難になってしまいます。ドミノの牌が勢いよく倒れてしまう前に、メタボの原因となっている生活習慣を見直すことが大切です。メタボは、食事による摂取エネルギーが、運動などで消費するエネルギーを上回ってしまう身体のエネルギー収支の黒字化が大きな原因といわれています。家計は黒字が望ましいけれど、身体のエネルギー収支はトントンか、やや赤字になるくらいを目指すのがポイントです。


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