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瞑想の雑学

「瞑想の鍵を握るのはお経だった?!」「トランプ・ショックにも瞑想が効く?!」「瞑想アプリで、どこでも瞑想!」——今月は「瞑想」に関する雑学をお届けします!


瞑想の鍵を握るのはお経だった?!


瞑想の鍵を握るのはお経だった?!


「瞑想」というと、「無我の境地」とか「悟りを開く」といった宗教的で難しいものを想像しがちですが、瞑想を深める基本となるのは「呼吸」です。話題の「マインドフルネス」も、呼吸による気付きがベースになっています。
しかし、多忙でストレスの多い現代人は、自分でも気付かないまま緊張して息が浅くなっている人が多く、それが疲労や自律神経のバランスを崩す一因になっているといわれます。
僧侶で芥川賞作家の玄侑宗久さんは、著書『「いのち」のままに 心の自由をとりもどす禅的瞑想法』で、長生きとは「長息」ではないかと語っています。座禅の際は、1分間に2回息を深く吸って長く吐くそうです。僧侶は長寿者の多い職業といわれますが、僧侶がお経や念仏、お題目を唱える時も、長く息を吐いています。
読経は優れた呼吸法の1つともいわれ、例えば260文字あまりの『般若心経』は、長く息を吐くトレーニングに最適といいます。なお、猫背でモソモソお経を読むお坊さんがいないように、深い呼吸をする時は、背筋をしゃんと伸ばすのが基本です。ちなみに、タイの大学の研究では、読経する側だけでなく、読経を聞く側にも癒やしのヒーリング効果が生まれてリラックスするそうです。


トランプ・ショックにも瞑想が効く?!


瞑想


ブッダもキリストもマホメットも、瞑想により悟りを開いたといわれています。禅の開祖である「達磨大師(だるまたいし)」も、ブッダにならって瞑想の大切さを説きました。
瞑想は時空を超えて現代にも受け継がれており、ハリウッドセレブやトップアスリートから実業家まで、近年は瞑想をライフスタイルにとり入れる人が世界的に増えています。アップル社のカリスマ創業者スティーブ・ジョブズもその1人。学生時代から禅に傾倒し、日本人の禅僧を30年間師と仰いでいました。マーケティングを一切しなかったジョブズは、瞑想によって気付きを得て、世界のマーケットを変えるような製品を次々に開発しました。
歌手のレディ・ガガも、不安障害に悩んでいた時に瞑想をして、ありのままの自分を受け入れる大切さに気付き、それをメッセージにした曲「ボーン・ディス・ウェイ」を世界中で大ヒットさせました。アスリートにも瞑想実践者が多く、イチロー選手やテニスのジョコビッチ選手も瞑想によって集中力を高めているといいます。
アメリカ大統領選の激戦を戦ったヒラリー・クリントンも瞑想をしていると公言しています。彼女が負けて「トランプ・ショック」の激震に揺れるアメリカでは、瞑想プログラムに参加する人が急増しているそうです。


瞑想アプリで、どこでも瞑想!


最近は、思い立ったらいつでも瞑想ができるアプリケーションもいろいろ登場してきています。例えば、マインドフルネスのプログラムを実施しているグーグルの社員に人気の瞑想アプリ「Zenify」は、スマホに登録すると、かわいい癒やし系キャラクターが「新しい課題があります」と、数分でできるような簡単な瞑想のトレーニング方法を配信してくれます。瞑想アプリの定番といわれる「マインドフルネス・アプリ」は、瞑想初心者から上級者までフォローする仕様になっています。世界的に有名な瞑想アプリ「ヘッドスペース」は、毎日10分の瞑想にいざなう音声ガイダンスが届きます。
瞑想時間を設定できるタイマーも各種あり、例えば「Meditate」というアプリは、瞑想終了時に「チーン」とか「ゴーン」という鐘の音が鳴ります。寝たまま使えるアプリもあり、ヨガスタジオが提供するスマホアプリ「寝たまんまヨガ 簡単瞑想」は、短時間で疲労回復でき、深いリラクゼーションが得られるのだそう。一般に、寝る前にスマホを見るのは“安眠の敵”といわれますが、このアプリの場合は、寝たまんま瞑想しているうちに、寝落ちしてしまうため、逆に“安眠の友”になるようです。