HOME > 健康の雑学 >  【2014年6月号】 天気の雑学

天気の雑学

「蚊の多い年には暴風あり」「猫が顔を洗うと雨が降る」は迷信じゃない?!ゲリラ豪雨で東京が沈没する?!今月は、雨の日の退屈しのぎにおすすめの天気にまつわる雑学をお届け!


猫が顔を洗うと雨が降るってホント?!


「猫が顔を洗うと雨が降る」ということわざがありますが、実はこれ、あながち迷信ではなく、科学的な根拠があるのです。猫は通常、目覚めた後や、餌を食べて口の周りが汚れたときなどに、前足をペロペロなめては、顔をなでるしぐさをよくします。この動作を俗に「猫が顔を洗う」といい、招き猫のポーズもこれに由来します。
猫のヒゲには高感度なセンサー機能があり、風の動きや湿度もヒゲセンサーで敏感に察知しています。湿気が多いと、ヒゲセンサーが少し垂れ気味になるようで、それが気になって猫は顔を洗うようです。梅雨どきに必死に顔を洗っている猫は、ひょっとして「湿っぽいのはヤダねえ」などとつぶやいているのかもしれませんね。くれぐれも、大切なヒゲセンサーを切ったりしないようにご注意を!

ミミズ



蚊の多い年は暴風ありってホント?!


「蚊の多い年は暴風あり」ということわざがありますが、これにも実は科学的根拠があるようです。平年よりも台風の発生が多い年は高温多雨になり、すると蚊の発育期間が早まって、蚊が大量発生するからです。
一般に、やぶ蚊といえば黒地に白い筋のあるヒトスジシマカですが、もともとは関東より西にしか棲息しておらず、近年、地球温暖化の影響で東北地方の北部でも見られるようになりました。ヒトスジシマカはデング熱や西ナイル熱という熱帯の感染症を媒介するので、気温上昇に伴って、熱帯や亜熱帯の伝染病が北上してヒトスジシマカを介して広がる心配があります。

また、成田空港などに到着した飛行機内では、マラリアを媒介するハマダラカが紛れ込んでいるのが相当数発見されています。現在の日本の気候ではハマダラカは繁殖できませんが、温暖化で気温が4度も上がれば日本で越冬できるようになるので、マラリアのリスクも高まります。
熱帯のシンガポールでは、マラリアなどの感染予防のために、蚊の幼虫であるボウフラを発生させると罰金が科せられる法律があるほどで、「たかが蚊なんて」とはいえない現実が迫っているのかもしれませんね…。

ゲリラ豪雨で東京沈没?!


ここ10年ほどの間に、日本では俗に「ゲリラ豪雨」と呼ばれる天気予報では予測不能な突発的かつ局地的な集中豪雨が増えています。2008年には東京都内で発生したゲリラ豪雨によって下水工事中の作業員5名が流されて亡くなる事故が大きく報道され、流行語大賞のトップ10にも登場しました。
一般に都市の下水は1時間に雨量が50ミリ程度しか想定されていないので、1時間に100ミリ以上も降るようなゲリラ豪雨が起こると、下水では処理しきれなくなって溢れてくる危険が高まります。

ゲリラ豪雨の原因は、都市化によるヒートアイランド現象で積乱雲が極端に発達するためといわれていますが、もしゲリラ豪雨のような猛烈な雨がずっとやまなかったらいったいどうなるのでしょう?
実際に、東京に豪雨が降り続いた場合のシミュレーションによると、多くの繁華街や住宅街は数週間も床上浸水し続け、谷筋にある街は水深10メートルもの水底に水没してしまうそうです……!
予測が難しいゲリラ豪雨ですが、天気予報で「大気の状態が不安定」という言葉を聞いたら、要注意です。できるだけ外出を控え、激しい雨が降り続くようなら避難するようにしましょう。