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くしゃみの雑学

くしゃみをするとぎっくり腰になる?!くしゃみをすると魂が抜ける?!くしゃみとウワサの関係とは?今月は、花粉症の悩ましい症状のひとつ「くしゃみ」のトリビアをご紹介します。


くしゃみの速さは新幹線顔負け?!


「ハクション!!」――口に手を当てる間もなく突然くしゃみが出ると、唾が飛んでひんしゅくを買ってしまいますが、その際、100万粒から200万粒もの唾の飛沫が1~3mの飛距離で飛び散るそうです。しかも、その初速は時速300㎞以上といいますから、新幹線やフェラーリ級の超スピード!もし風邪でも引いていようものなら、一瞬で大量のウィルスをばらまくことになるので、マスク必須ですね。

そんな猛烈な威力を発揮するだけあって、くしゃみ1回で、100mを走ったのと同等の約4キロカロリーのエネルギーを消費します。くしゃみを立て続けに5回もすれば、角砂糖約1個分ものカロリーを軽く消費することになるのです。「じゃあ、くしゃみダイエットになるのでは?」と思いきや、くしゃみは腹部や背筋を突発的に緊張させる運動なので、腰の弱い人はぎっくり腰になったり、骨粗鬆の人はくしゃみをしただけで骨折する危険もあるのだとか。花粉症でくしゃみ大連発の人は、「あっ、くしゃみが出そう!」と感じたら、とっさに何かにつかまったり、座り込んで身体をなるべく固定するようにしましょう。

いいウワサ、悪いウワサ? ~くしゃみとウワサの関係~


くしゃみをすると、誰かがウワサしているという俗信がありますが、その由来になったといわれているのが「一誹り 二笑い 三惚れ 四風邪(いちそしり にわらい さんほれ しかぜ)」ということわざです。くしゃみ1回なら誰かに悪口をいわれており、くしゃみ2回なら誰かに笑いのネタにされており、くしゃみ3回なら誰かに惚れられており、くしゃみ4回なら風邪を引いたに違いない……という意味です。

このことわざには、「一に褒められ、二に憎まれ、三に惚れられ、四に風邪引く」など、微妙に異なる変形バージョンも多々ありますが、そしられるのも、笑われるのも、褒められるのも、憎まれるのも、惚れられるのも、総じて「誰かのウワサになっている」ということです。くしゃみが何回も出る時は、悪いウワサより、いいウワサであってほしいところですが、それよりも本物の風邪でないのが一番ですね!



くしゃみをすると、魂が抜ける?!


歌舞伎や狂言では、くしゃみを「くっさめ」と表現しますが、くしゃみの語源は「くさめ」という呪文でした。古来より日本では「くしゃみをすると、鼻から魂が抜けて早死にする」と恐れられており、「くさめ」という呪文を唱えて死を遠ざけようとしていたのです。鎌倉時代に書かれた吉田兼好の随筆『徒然草』にも、清水寺で出会った尼が、自分の育てた稚児の延命を願って「くさめ、くさめ」と唱える場面が出てきます。

では、「くさめ」とは一体何でしょう?
ブッダがくしゃみをした時に「くさめんさ」という長寿を意味する梵語を唱えたとか、あるいは陰陽師が唱えるおまじないの「休息万命(くそくまんみょう)」から転じたなど、「くさめ」の語源は諸説あります。さらにそれが庶民の間で「糞食め(くそはめ)」や「糞食らへ」に変化したといわれています。沖縄には、子どもがくしゃみをすると「クスクエー」と唱える魔除け言葉が今も残っています。

諸外国にも「くしゃみ=魂が抜ける」説があります。英語圏では、くしゃみをした人に「God bless you!(神の祝福あれ)」と声をかけますが、「魂が抜けて悪魔に入り込まれないように……」という願いが込められているのだとか。英米の伝承童謡『マザーグース』に出てくるくしゃみも、実はペストを象徴しているという説もあります。実際、くしゃみは風邪に端を発し、重篤な病の前兆にもなったため、「魂が抜ける」説も、単なる迷信と片づけられない側面があるようですね。