HOME > 健康の雑学 > 【2009年12月号】たまごの雑学
祭事に欠かせないたまごとは?今、もっとも日本人に注目を浴びているたまご料理は?たまごに関する雑学をお送りいたします。
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そもそもたまごを食べる風習はいつからできたのか?おそらくは原始時代、ダチョウのたまごを食べていたのでは?といわれています。一般家庭でごくふつうに鶏のたまごを食べることが普及したのは明治時代になってから。鶏を飼う文化そのものは江戸時代からありましたが、闘鶏や愛玩としてが主でした。ただ、一部では養鶏を奨励する藩もあり、身分の低い武士などは家計の足しにするべく、鶏を飼っていたといわれています。江戸中期頃には養鶏業者も登場。それに伴い、当時刊行された料理本「万宝料理秘密箱(まんぽうりょうりひみつばこ)」にも多種多彩なたまご料理が紹介されていました。 そのうちのひとつが「黄身返したまご」と呼ばれる料理。本来、白身がある部分が黄身となり、黄身の部分が白身になり、見事に色が逆になったゆでたまごができあがる、というものです。 しかしながら、同著の調理法ではなかなかうまく逆転しませんでした。さまざまな試行錯誤がなされてきましたが、京都女子大学家政学部の八田一教授が「有精たまご」、つまりヒヨコになるたまごを使った「黄身返したまご」を作ることに成功。現在ではスーパーで一般的なたまごとして売られている「無精たまご」を使っても出来ることが明らかになっています。 仕組みとしては、生たまごの状態で黄身の膜を破ってから茹でること。当初はたまごの殻にピンで穴を開け、そこからクリップを伸ばしたものなどを差し込んでかきまぜる方式でしたが、八田教授はストッキングの利用を考案。ストッキング(片足)の中央にたまごを据えて、「ぶんぶんごま」の要領で、左右を持ってグルグル回してから引っ張り、高速回転させる方法です。その他、茹でる温度なども一般的なたまごとは異なります。 江戸から長い時を経て、科学の知識で再びこの世に出現したのが「黄身返しのたまご」というわけです。 |
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