HOME > 健康の雑学 > 【2008年12月号】「冷え」の雑学


「冷え」の雑学 寝る前の時間の過ごし方


安眠を妨げる「冷え」をなんとかしたい。そんな皆様のために、寝る前の時間の過ごし方をまとめてみました。ぜひ参考にしてくださいね!



「冷え対策」入浴は「半身浴」か「温冷交代浴」


寝る前にカラダを温める。そのためにまず効果的なのはお風呂です。シャワーで済ませる方もいると思いますが、やはり「冷え」対策には「入浴」がいちばん。温まるだけでなく、縮まった毛細血管を広げて血行を良くする効果があります。また、冬場はどうしても熱めの湯に入りたい、と考えている方もいると思いますが、カラダをなるべく長時間温め、なおかつ健康によいとされるのは「半身浴」です。

温度はだいたい39度前後が望ましいといえます。そこに20分〜30分程度、上半身は湯に浸からず、みぞおちから下は湯に浸かって半身浴。血行がよくなり、カラダがじんわりと温まってくるはずです。浴槽の中で手や足の指を開いたり閉じたりする運動をすれば、さらに血行促進につながります。

ただし冬場のお風呂は寒いですよね。そのため、シャワーで温水を浴室内にかけるなどして、浴室の温度を上げる工夫を施してから半身浴することをオススメします。半身浴中にタオルなどを肩にかけておくことも有効です。

どうしても熱めのお湯に浸かりたい!という人には、温冷交代浴がオススメ。十分に温まった段階で一度湯船から出て手や足にシャワーで水をかけ、そしてまた湯船に浸かることを繰り返しましょう。血管が収縮と拡張を繰り返して血行促進につながります。ただし心臓に負担がかかりやすいので、十分温まっていない段階で水をかぶったり、循環器系統に不安がある方は避けるようにしましょう。

また、足だけを温める「足湯」も冷え性には効果てきめんです。疲労回復につながり、心身ともにリラックスすることにより筋肉のこわばりが解け、安眠を促すといわれています。専用器具がなくても洗面器やバケツで応用できますよ。

水分補給は緑茶よりもウーロン茶や紅茶で

さて、お風呂でじっくり温まりました。しかし、そこから寝るまでの過ごし方も重要ですよ。いわゆる「湯冷め」は冷えの天敵です、というより風邪をひいてしまうこともありますからね。カラダや髪を十分に乾かし、カラダが火照っているからといって過度の薄着で長々と過ごさないことを心がけましょう。靴下を履くのも効果的です。ただ、湯冷めを防ぐために入浴後に一直線でベッドへ・・・というのもちょっと極端。汗を十分に出切っていない状況ですと、そのまま「寝汗」になってしまい、逆にカラダを冷やしてしまうこともあるんです。30分〜1時間くらいはゆったりと過ごすよう心がけましょう。

その間にすることといえば、まずは入浴で失われた水分の補給です。その際、冷たい飲み物をカブカブ飲むことは避けてくださいね。まず効果的なのはお茶です。
といっても、お茶の種類によってはカラダを冷やす効果があること、ご存知ですか?たとえば緑茶。よく「夏の暑いさかりには熱い緑茶!」といいますが、これは本当のこと。逆にカラダを温めてくれるのは温かいウーロン茶や紅茶などです。

ハーブティーのなかでは、シナモンティーがオススメ。カラダを暖める効果のほかに消化器官の機能を活発にする効果も期待できるので、胃腸に負担がかかりがちな年末年始には有効です。シナモンのみを抽出したお茶ではなく、市販のシナモンパウダーをココアなどにふりかけて飲んでもよいでしょう。

そしてジンジャーティー。日本でも古くから伝わる「しょうが湯」です。小さじ1〜2杯程度のしょうがをすり下ろし(絞ったり、スライスしたものでもOK)、お湯を注いで出来上がり。ハチミツを入れるといっそう飲みやすくなります。

カラダが温まる旬の食材を

生薬が配合された薬酒も、お休み前の飲み物として冷え性には効果的です。



すぐ脱げる靴下と、日本古来の湯たんぽ


さて、いよいよ就寝です。
お風呂から上がって靴下を履いて過ごしている方、その靴下は「通常履いている靴下」でしょうか?もしそうであれば、脱いだほうがよいかもしれません。足から出た汗がそのまま蒸発せずに靴下が湿ってしまい、明け方などさらに寒くなったときに「冷え」を増長させてしまう可能性があります。また、就寝中の過度の圧迫はそのまま「むくみ」にもつながり、さらに「むくみ」は「冷え」につながるという悪循環も。どうしても履きたいなら「すぐ脱げる」ゆるめのものや、通気性がよく汗を逃がしてくれる綿素材のもの、現在販売されている就寝用靴下などを履くようにしましょう。

この「圧迫しすぎない」点は靴下だけでなく、寝巻きにも同じことがいえます。「血行を良くする」ことが冷え対策の前提といえますので、過度の厚着、過度のしめつけには注意が必要ですよ。掛け布団もまた、あまり重過ぎないものを選択しましょう。

そしてこれも日本古来のものですが、「湯たんぽ」。昨今再び注目を集めるようになりましたね。昔懐かしいトタン製のものもあれば、カバーにフリース素材やウェットスーツ素材を駆使した最新のものまでさまざまな種類の湯たんぽが市販されています。

湯たんぽと人間が同時に布団に入るのではなく、就寝30分前くらいから布団に入れておくとよいでしょう。また、複数購入して足の部分だけでなく、お腹や腰の部分などにセッティングしておくのも効果的です。
寝る前の時間にしっかり冷え対策を施し、健康を促す快眠を実現させましょう!