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「眠い春」と「痩せたい夏」の狭間で意識すべきは「代謝」!


現在は気候的にもわりと過ごしやすい季節となりましたが、ちょっと見かたを変えると、ポカポカ陽気はカラダのだるさ、眠さを誘いますよね。

同時に、暖かくなるにつれて薄着になりますから、冬の間にはからずも蓄えてしまった脂肪を夏に向けてなんとかしたい!と思っている方も、今の季節には多いのでは?

春のけだるさ解消と、夏に向けたダイエット。これが今の時期、皆さんのカラダに関する課題といえるかもしれません。そしてこの2つとも、「代謝」が深く関わっているんです。

それではさっそく「代謝」にまつわる健康雑学、いってみましょう!



春は本当は「もっとも眠くない」季節!?



現在、「不眠」の世界記録は米国のランディ・ガードナー君(当時17歳)が達成した約264時間。じつに11日間です。想像を絶する日数ですが、記録挑戦中のガードナー君は日にちが経つにつれて無表情になったり幻覚をみたり、さまざまな身体の異変を体験しました。人類の歴史上で最も「寝ないとカラダに悪い」ということを身をもって証明したといえるでしょう。


一方、今の季節は多くの人が「春眠暁を覚えず」を体感します。春の眠りは心地よく、夜明け(暁)に気づかずにぐっすり寝入ってしまう、という意味ですが、その背景には「夜更かししやすい」ということもあるようです。


人間のカラダと日照時間には深いかかわりがあります。夜の長い冬には眠りを誘発するホルモンが多くなり、夏至に近づくにつれてそのホルモンは減る仕組みです。つまり本当は、春から夏にかけては「もっとも眠くない」季節。そこでつい夜更かしをして、結果として朝が辛い「春眠暁を覚えず」状態になってしまう、ということもあるようです。


そして「代謝」との関係も見逃せません。ちなみに代謝という言葉、よく耳にしますが簡単に言うと「食べる」「吸収する」「(エネルギーや老廃物として体外に)放出する」などといった体内の化学変化の総称です。食べたりして「取り入れる」ことと、「放出する」ことのバランスが崩れると「代謝が悪い」といわれたりします。その代謝ですが、春になって気温が上昇すると身体の器官がよく働くようになり、エネルギー代謝が冬より頻繁に行われるようになります。脂肪や糖分をエネルギーに変える働きがある「ビタミンB」も必然的に多く消費されることになりますが、このビタミンB不足がだるさ、眠さ、疲れやすさなどを引き起こすといわれています。


よって、ビタミンBを多く摂取することがまず大切。ちなみに起きてしばらくダルさが取れない、という人の中には、寝ているうちに起こりがちな軽い脱水症状が原因の場合もありますので、起きぬけにはしっかり水分を取るようにしましょう。


一方、代謝の良し悪しは、ダイエットにも大きく影響します。ちなみにダイエットの本来の意味は、食事の量や栄養バランスをコントロールすること。今のように「痩せる」という意味ではありませんでした。栄養バランスを整えることは代謝を良くすることにも繋がり、結果として「痩せる」ことになるわけです。


若い頃はガツガツ食べても太らなかった、という人も多いと思いますが、その理由はやはり代謝です。代謝のピークは10代後半で、食べた分がエネルギーや老廃物としてきちんと放出されていたために太らなかったのです。そして代謝は年齢とともに衰えます。代謝が悪くなると肥満はもとより、むくみや肌荒れの原因にもなりますから、食事のバランスを考慮したり、普段運動していないときのエネルギー消費(これを基礎代謝といいます)を増やすために筋肉をつけることが不可欠となるのです。


「眠い春」と「痩せたい夏」の合間といえる今の時期、充分「代謝」を意識しながら効果的にエネルギーを発散させて、日々元気に過ごしましょう!