HOME > 研究員のウンチク > 【2006年12月号】権現山


「権現山」


新田次郎作「聖職の碑」で知られている中央アルプスの名峰『将棋頭山』(しょうぎがしらやま)の山頂まで延びる尾根「権現づるね」にある最初の小ピークが『権現山』です。
明治時代、W.ウェストン(日本アルプスを世界に紹介したことで有名)が木曽側から駒ケ岳に登り、将棋頭山を経て権現づるねを伊那谷に下ったと言われていますが、江戸時代には伊那側から駒ケ岳に登る最古のルートでもありました。



権現山頂上から望む伊那谷の風景


『権現山』は、地元小学生の遠足などにも利用され、山頂は権現社の石祠と小学生の記念登山標柱が賑やかに立ち並ぶ広地になっています。
一方向ではありますが、権現山山頂からの眺望は最高で、天気が良ければ蓼科山・八ヶ岳・南アルプスそして天竜川・三峰川の流れる伊那谷の風景がとてもきれいです。

山頂から北へ50mほど下ったところに「延命水」と書かれた湧き水がありますが、水量は少なく気を付けないと虫入りで飲んでしまいますので注意が必要です。
山頂では、伊那谷や南アルプスの大展望を楽しんでいると、すぐに時間が過ぎてしまいます。
また、南アルプスからの御来光はすばらしく、元旦には地元有志の方々が毎年登ってその景色を楽しんでいるそうです。



山頂の権現社石祠


長野県伊那市の伊那スキーリゾート左の林道から頂上まで、およそ1時間50分ほどの行程です。天気の良い日に登ってみてはいかがでしょうか?

※蛇足ではありますが、『権現山』の標高は1,749m [伊那よく見える] と覚えます。




■宮沢 愛夫(養命酒中央研究所・主任研究員)
今年は山に熊が非常に多く、自分の風貌からして間違えて銃で撃たれないよう熊すずをつけて山に入るようにしています。