HOME > 健康レシピ > 【2006年3月号】花彫鶏湯(ふぁーてぃうがいとん)

体を芯から温める紹興酒と鶏肉のスープ:「花彫鶏湯(ふぁーてぃうがいとん)」


   
鶏手羽元8本
春菊1/2パック
玉竹(ギョクチク) 8g
黄耆(オウギ)8g
紅棗(ナツメ) 4粒
枸杞(クコ) 5g
党参(トウジン) 8g
ショウガ 親指大1かけ
紹興酒 100cc
※お酒が
弱い人は
50cc程度に
減らす。
1000cc
小さじ1
醤油 大さじ1

作り方

1. ショウガは皮をむき、すり下ろしてジュースを搾る。
2. 鶏手羽元にショウガジュースをもみ込んで5分置く。
3. 春菊はしばらく水に浸けておき、葉がピンとなり泥汚れがふやけてきたら流水で洗って葉先だけを摘み水を切る。
4.2の鶏肉に紹興酒をかけて10分置き、よくなじませる。
5.土鍋に水を張り、党参、玉竹、黄耆、紅棗、枸杞を入れて火にかける。
6.5が沸騰したら4の鶏肉と皿に残った紹興酒も一緒にすべて加え、ふたをして中火で煮込む。沸騰したら火を弱め、あくをとりながら約30分間煮込む。
7.3の春菊を加えてひと煮立ちさせて火を止め、塩、醤油で味を調える。




昨年からずっと厳しい寒さが続いています。
立春が近づき、晴れると昼間のうちは温度が上がる日もありますが、夜から朝にかけてはまだまだ急激に冷え込むことが多いので、温度の変化で体調をくずさないよう気をつけたいものです。冬の寒さというのは、私たちの体にとって思いがけない大きなストレスとなります。

腎に影響を与えるだけでなく、循環器系のトラブルも招きやすくなるのです。これは外からの寒さに対して体温を上げなければならないため、心臓にかかる負担が他の季節より大きくなるのが原因です。
暖房や加湿器で上手に生活環境を整えるとともに、体を冷やす食べ物を避け、毎日の食事で体を温めてなるべく滋養にいいものをとるよう心がけましょう。



今月の食材:黨參(とんさん)「党参(トウジン)」



ヒカゲノツルニンジンの塊根を乾燥させたものです。滋養強壮に免疫力強化、健胃整腸の効能が信じられていて、香港では体の機能や体力を高めるために漢方薬やスープの材料としてよく使われます

。中でもストレスへの抵抗力を増す作用が強いといわれ、冬の寒さに弱い人はもちろん、忙しく毎日の生活が不規則だったり、睡眠不足で疲れている人にもおすすめの食材といえます。ニンジン独特の匂いと、苦みの中にほんのりした甘みがあります。

スープに使った後のダシガラは食べられますが、あまりおいしいものではありません。


紹興酒と鶏肉のスープ


「花彫」は紹興酒のこと。この名前は良質の紹興酒が花の彫刻を施したカメに入っていたことに由来します。
つまり花彫鶏湯というのは、紹興酒をたっぷり使った鶏肉のスープです。一緒に煮込む食材には、トウジン、オウギ、ナツメなど穏やかな甘みが特徴の、体を温める性質をもつものを中心にセレクトしています。

体を芯から温めてくれるので、寒さが厳しい冬には最適な薬膳料理といえます。鶏肉は、煮込む前にショウガの酵素でやわらかくするのがポイント。骨つき肉を使うと特にいい出汁がでます。今回は青みに春菊を使っていますが、青梗菜や小松菜などを使っても構いません。

最後に醤油を少量加えることで、ぐんとうまみが増します。香港では、これをスープとして飲むだけでなく、火鍋(香港式しゃぶしゃぶ)のベースとして、肉や野菜をこのスープでしゃぶしゃぶ風にいただくという通な食べ方もあります。