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豆まきで健康祈願!節分に秘められた謎を解く!

「鬼は〜外! 福は〜内!」――節分といえば豆まきですが、豆まきの風習には、実は東洋医学にも通じる歴史があるってご存知ですか?今月の元気通信では、節分の4大不思議や、鬼をめぐる4大ミステリー、地方によって異なる節分祭、豆まきに欠かせない大豆の健康効果まで、節分に秘められた数々の謎に迫ります!最近はバレンタインデーに押され気味の節分行事ですが、今年の節分はぜひ景気よく豆まきを!




節分の4大不思議

1.節分は年に4回もあった?!

そもそも「節分」とは、四季を分ける節目の日のこと。立春・立夏・立秋・立冬の各前日のことで、本来は1年に4度ありました。中でも大寒の最終日である立春は、厳冬が明けて草木が芽吹く1年の始まりとして重視されたことから、立春前日がいわゆる「節分」として定着したのです。つまり、節分は1年が始まる前日、すなわち大晦日に相当する日といえるのです。ちなみに、節分の日は必ずしも2月3日ではなく、閏年(うるうどし)には2月2日や4日になることもあります。

2.陰陽師の秘儀が節分になった?!

季節の変わり目には体調を崩すという人が少なくありませんが、古来、季節の変わり目には鬼(邪気)が生じるといわれており、奈良時代〜平安時代の宮中では、節分に陰陽師(おんみょうじ)によって旧年の鬼(厄)をはらう「追儺(ついな)式」が執り行われていました。これは俗名「鬼やらい」ともいわれ、中国で大晦日に行われていた儀式が7世紀頃に日本に伝来したようです。今でも節分祭で有名な京都の吉田神社では、四つ目の仮面をかぶった鬼を陰陽師が祭文を読み上げて追いはらう追儺式が行われています。

3.豆まきと陰陽五行の深い関係とは?

東洋医学の基本でもある「陰陽五行説」は、万物を「陰」「陽」に分け、「木・火・土・金・水」の5つの要素によって森羅万象が成立していると考えます。冬から春に向かう節分は、ちょうど陰から陽に移る節目です。陰陽五行説では、豆や鬼、疫病は「金」にあたり、「火」は「金」に勝つので、豆を火で炒ることで、鬼や病に打ち勝つという意味があります。つまり、炒り豆は「悪鬼退散・疫病退散」の象徴なのです。ちなみに、炒らずに生の豆をまくと、拾い忘れた豆から芽が出る可能性があり、縁起が悪いのでご注意を!

4.まくのは大豆じゃなきゃだめ?

豆まきの由来は、平安時代に京都の鞍馬山の鬼が都を荒らしにきた際、毘沙門天のお告げによって、炒り大豆を鬼の目に投げつけたところ、鬼を退治できたという逸話がもとになっているという説があります。鬼の魔の目=「魔目(まめ)」に豆を投げることは、魔を滅する=「魔滅(まめ)」に通じ、豆を炒ることは「魔を射る」につながると考えられていたのです。また、大豆は米や麦などと並ぶ五穀のひとつで、古来より穀霊(豊饒を司る精霊)が宿るといわれ、神事でも重用されてきました。ただし、近年では北海道、東北、北陸の6〜7割の人が、節分に大豆ではなく「殻つき落花生」をまいているようです(※ネオマーケティング2013年調査)。「掃除が簡単」「殻つきなので衛生的」というのがその理由のよう。ピーナッツで鬼退治ができるか否かは“神のみぞ知る”ですね!





鬼の4大ミステリーに迫る!

1.「鬼は外」ならぬ「鬼は内」もあり?!

豆まきの口上といえば「鬼は外、福は内」が定番ですが、東京の浅草寺では、「観音さまの前に鬼はいない」として、「千秋万歳(せんしゅうばんぜい)福は内」といって豆をまきます。鬼をまつっている神社や、鬼が姓や地名につく地域では「鬼は内」ということも多いそう。寺社によっては、追い払われた鬼を迎え入れて改心させる“鬼の駆け込み寺”もあるのだとか。鬼が泣いて喜びそうですね?!

2.鬼はどうしてカラフルなの?

赤鬼や青鬼……鬼はなぜみんなカラフルなのでしょう?実はこれも陰陽五行説に由来するという説があります。京都の廬山寺(ろざんじ)では、節分祭にでっぷりした赤鬼、青鬼、黒鬼が踊りますが、三色の鬼たちは人間の煩悩の化身で、赤鬼は「貪欲」、青鬼は「怒り」、黒鬼は「愚痴」を表しているのだとか。また、五色の節分鬼踊りで知られる新潟県三条市の本成寺では、赤鬼は「全ての悪い心」、青鬼は「貧相」、黒鬼は「疑心」、黄鬼は「甘え」、緑鬼は「おごり」を意味するといわれています。

3.鬼はゴージャスな虎のふんどしがお好き?

鬼といえば、派手な黄色と黒の虎しま模様のふんどしがお決まり。なんとこれも陰陽五行説の「鬼門」と深い関係があるのだとか。鬼の出入りする鬼門は北東にあたり、十二支にあてはめると「丑(うし)」と「寅(とら)」の方角になります。そのため、鬼には牛の角があり、虎のふんどし姿なのだそう。節分で鬼の扮装をする際は、くれぐれも「ヒョウ柄」や「ゼブラ柄」とお間違えなきように!

4.鬼の泣き所はヒイラギとイワシ?

最近は少なくなりましたが、節分になるとヒイラギの小枝にイワシの頭を焼いて刺す「焼嗅(やいかがし)」を戸口や窓に吊るし、鬼を忌避する習慣があります。ヒイラギの尖った葉が鬼の目を刺し、イワシの頭の異臭が鬼避けになると考えられていたのです。「イワシの頭も信心から」――とるに足らぬものでも信ずれば救われるというシニカルなことわざの由来にもなりました。西日本では、今も焼いたイワシを節分に食べる風習が残っています。





これが正しい豆まきスタイル!

STEP-1 福豆をスタンバイ

大豆を炒った「福豆」を、枡に入れて神棚にお供えしておきます。

STEP-2 豆まきは日暮れ後に

鬼は真夜中に現れるので、豆まきは夜にスタート。
豆をまくのは家長または年男、年女、厄年の人が担当。家族全員でもOKです。

STEP-3 豆まきは奥の部屋から

まず胸の辺りで枡を持ち、奥の部屋から順番に鬼を追い出すように戸や窓を開けて「鬼は外」と豆をまき
次に鬼が戻らないよう即ドアや窓を閉めて「福は内」と室内に豆をまきます。
(※口上や順番などは地方によって異なります)

STEP-4 豆をいただく

豆をまき終えたら、新年の厄払いを祈願して、数え年=「自分の年齢+1粒」の豆を食べます。
食べきれない時は、炒った大豆3粒に塩昆布と梅干しを添えてお湯を注ぎ、「福茶」にしていただきます。
(※食べる豆の数は地方によって異なります)





ユニークな奇祭も!各地の節分行事

節分の行事は、神社では「節分祭」、寺院では「節分会(せつぶんえ)」といいます。全国各地の寺院では平安時代をしのばせる「追儺式」が行われ、奈良・法隆寺の古式にのっとった「鬼追い」や、室町時代から続く京都・吉田神社の「鬼やらい」などが有名です。関東の寺院で最初に大々的な節分会を行ったのは、東京・浅草寺。江戸後期につくられた『江戸名所図会』に、その生き生きした様子が描かれています。浅草寺の節分会にならって、江戸庶民に豆まきの風習が広まっていったといわれています。


江戸名所図会 新宿歴史博物館所蔵
各地の節分行事の中には「奇祭」と呼ばれるユニークなイベントも。例えば、広島県の備後一宮 吉備津神社(びんごのくにいちのみや きびつじんじゃ)の節分祭では、年男・年女による豆まきが行われた後、焚き火を囲んで日本一のほら話をこれでもかと競い合う「ほら吹き神事」が催されます。
また、岐阜県の宝光院では、豆まき後に厄年の男性が六尺ふんどしをしめ、杭瀬川(くいせがわ)で「みそぎ川渡り」をして厄を落とす「はだか祭」が行われて賑わいます。





大豆は「畑の肉」。毎日必ず摂るのが正解!

豆まきに欠かせない大豆は、古来より日本人の食生活に欠かせない食材であり、健康を維持するのに必須の栄養素がぎゅっとつまっています。そこで栄養学の達人に、大豆のさまざまな健康効果や、大豆の賢い食べ方について伺いました。


お話を伺った先生 宗像 伸子 先生
管理栄養士。ヘルスプランニング・ムナカタ主宰。東京家政学院大学客員教授。山王病院や半蔵門病院の栄養部に勤務し、「おいしい治療食」が評判に。NHK『きょうの料理』『きょうの健康』の出演や、全国での講演、栄養指導、短大講師、メニュー開発など多方面で活躍。モットーは「おいしく食べて生活習慣病を防ぐ」。『キッチン栄養学』(高橋書店)、『すべてがわかる!「豆類」事典』など著書・監修も多数。

大豆は豆の王者!

大豆といえば、「畑の肉」といわれるように、数ある豆類の中でも「植物性たんぱく質」が35%と圧倒的に多く、健康維持に欠かせない各種アミノ酸がバランスよく含まれています。
食物繊維も豊富なので、便秘や大腸がんの予防にも有効です。コレステロールを抑える良質な「植物性脂肪」や、抗酸化作用のある「ビタミンE」も多く、脂質の酸化を抑えて代謝を促進し、中性脂肪やコレステロールを低下させる「大豆サポニン」も含まれているので、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病予防にも役立ちます。特に冬は温度差で血圧が急上昇する危険が増すので、大豆製品がおすすめです。
さらに、女性ホルモンによく似た「イソフラボン」も多く、骨がカルシウムに溶け出るのを防ぐ効果もあるので、更年期障害や骨粗鬆予防に役立ちます。黒豆の場合は、抗酸化作用の高いポリフェノールの「アントシアニン」も多く含まれています。


大豆の賢い食べ方!

大豆は煮豆だけでなく、納豆や豆腐、油揚げ、おから、味噌、きなこなど、さまざまな大豆加工食品から摂取できるので、飽きずに食べることができます。
豆料理としては、五目豆や、大豆入りのサラダやスープ、カレーなどにすれば、他の野菜などと一緒にバランスよくいただけます。乾燥大豆を煮るのは面倒という方は、大豆の水煮缶で代用できます。大豆は咀嚼を促すので、早食いを防ぎ、ダイエットにもつながります。
和食党なら、朝食だけでも味噌汁や納豆などで自然と大豆を摂取できます。朝は洋食という人でも、きなこを大さじ一杯ほどヨーグルトやコーンフレークに入れることで、賢く大豆の栄養素を摂取できます。
豆腐やゆばには大豆の食物繊維が含まれませんが、よく噛めない高齢者や胃腸の調子がよくない方におすすめです。豆腐なら約3分の1丁を一日の摂取量の目安として、大豆食品を毎日摂ることが大切です。



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