HOME > 特集記事 > 【2008年10月号】脳を鍛える!


脳を鍛える!


今月のテーマは「脳」。年齢を問わず、「鍛える」ことで若々しい脳を保つことができます。そのトレーニング術をご紹介しましょう!



まずはさっそく「鍛えて」みよう!


計算しましょう! 以下の事柄をできるだけ具体的にイメージしましょう。 部首を組み合わせて漢字を作りましょう。

日常の暮らしの中で「脳」を鍛えよう


脳は筋肉と同じで、使わないと衰えていきます。20歳を過ぎると脳の神経細胞はどんどん減っていきますが、たとえば記憶をストックする「海馬(かいば)」という部分では年齢に関係なく、頭を使うことによって細胞が増えていきます。細胞を増やし、さらに細胞同士のつながり(シナプス)を増やすためには「脳を鍛える」ことが大切。上で皆さんにお出ししたクイズも「脳を鍛える」一環です。
また、日々の暮らしの中でも心がけひとつで脳を鍛えることができます。さっそくご紹介していきましょう。

ものごとを「同時」に進める


複数の刺激を同時に与えることで脳を鍛えられるといわれています。

アカペラで歌う
アカペラで歌う
歌う・リズムを思い出す
字幕の映画を観る
字幕の映画を観る
音を聴く・映像を見る・文字を読む
音読する
音読する
読む・声に出す

上記のようなことも、同時作業の一例です。「音読」は近年、東北大学の川島隆太教授が提唱した学習療法のひとつ。黙って本を読む行為は脳への「インプット」ですが、声に出して読むと「アウトプット」の作業が追加されます。さらに自分の出した声が耳に入ることによって音声言語の領域も刺激され、脳が活性化するとのことです。 同時に別のことをすると「ながら」作業などと呼ばれ、あまり良いイメージはありませんが、たとえば音楽を聴きながらウォーキングをしたりすることも有効です。ぜひ心がけてみてください。

日常生活を「変えて」みる


規則正しい生活、といえば聞こえはいいですが、ワンパターンな生活は脳への刺激が不足しがち。環境が変わる最たるものは「旅行」で、同時に語学などを学んで海外旅行に行けば、脳の活性化に大いに役立ちますが、そんなに頻繁に行ったりはできませんよね。そこで日常生活の中で「変化」をつけていきましょう。

たとえば『通勤やお散歩のルート変更』。意識してルートを変え、街並みをじっくり観察しながら歩きましょう。また、自宅近辺でまだ行ったことがないところがあれば、積極的にお散歩してみてください。そして帰宅後は地図を見て、辿ったルートを確認。「地図を見る行為」と「思い出す行為」が脳の活性化を促します。

そして『利き手ではない手を使う』。脳は、論理的思考を司る「左脳」と、感情を司る「右脳」に大別できます。一般的に右利きの人は左脳が発達し、左利きの人は右脳が発達しているといわれていますが、バランスよく両方の脳を使うことを心がけるなら、利き手ではない手を積極的に使ってみましょう。たとえば携帯電話。手や指を動かすこと自体、脳の活性化になりますし、「聞く耳」も左右変わってきます。

「忘れっぽさ」はオトナの特権!?


「最近忘れっぽくなったなぁ・・・」などとお悩みの方、いませんか?これは科学的に考えると、悩む必要はないんです。たとえばカラダの筋肉。筋肉を伸ばすと、その裏側の筋肉が縮みます。「伸ばす」と「縮む」が表裏一体なように、「覚える」と「忘れる」は対になっているといえるでしょう。

現在の科学でも、脳がどれくらいのことを記憶できるかは明らかになっていません。ただ、容量の限界はあるはず、という考え方が一般的です。ものごとを次から次へ記憶していくと知識は増えますが、その知識が多ければ多いほど「取り出す」時間がかかってしまいます。たとえば洋服ダンスに赤、黄、青の服が1着づつあるのと、100色の服を1着づつ持っている場合、「黄色の服を出そう!」と思ったら、圧倒的に前者のほうが速いですよね。それと同じで、あまり情報を溜め込みすぎると効率的な出力ができなくなります。パソコンにしても、あまりデータを溜め込みすぎると動作が重くなりますよね。そこで脳は不必要な情報を判断して、適度にものごとを忘れさせる、というわけです。

その一方で、「100色の服を1着づつ」持っている強みもあります。季節に応じて色を選んだり、コーディネートを考えたり・・・これはつまり「経験を積んだ大人」といえます。逆に3着しかないのは「経験の浅い子ども」です。いろんなバリエーションに富んだ考え方ができる、というのが、知識を蓄えた「大人の脳」。子どもにもわかる簡単なクイズやなぞなぞだと、子どものほうが早く答えられることもよくありますよね。これも同じ理屈で、大人はいろんなバリエーションを考えてしまうから子どもに負ける、というわけです。 「忘れっぽくなったなぁ・・・」と思ってしまう理由も、そこにあります。たくさん経験を積んできているので、まず何かを体験したとしても印象に残らない。一方、子どもは目に見えるものが新鮮に写ります。なので、忘れっぽさをお嘆きの方は、「覚えておこう」と普段から意識するというよりは「新鮮なことに出会おう!」と考えることが大切。見知らぬ場所へ旅行したり、新しい趣味に取り組んだりすること、これが「脳を鍛える」ことにつながります。

 

記憶のコツは「関連づけ」


それでも「忘れっぽさ」をなんとかしたい!という方におすすめの記憶術が「関連づけ」です。たとえば世界の小麦生産国ベスト3は1位が中国、2位がインド、3位がアメリカです。これをそのまま覚えるのではなく、中国を「チャイナ服」、インドを「カレー」、アメリカを「自由の女神」とみなし、これをひとつに合体させます。つまり「チャイナ服を着てカレーを食べている自由の女神像」。かなり突拍子もないですが、その「絵」を思い浮かべておくと、記憶に残りやすいといわれています。 ちなみにこの記憶術のルーツは古代ギリシアのシモニデスなる人物。宴会に列席中、大きな地震が起こって多くの人が建物の下敷きになってしまいましたが、シモニデスは「座席」と「人」をセットで「絵」として覚えていたため、遺体の身元検証の際にスラスラと言い当てたそうです。



脳の活性化を促す「ブレイクタイム」が必要!


よく長時間ものごとに集中していると「あー、アタマが疲れたなぁ」と感じますが、アタマが疲れたというより、「集中力が続かなくなった」といえるでしょう。そこで大切となるのは休憩です。

人間の集中力は個人差こそあれ、せいぜい45分〜1時間程度です。その間、何をすればよいか。まず、机に座って集中していたのなら「立ち上がって少し歩く」こと。「アタマが疲れた」と感じがちですが、じつは同じ姿勢をとり続けたことによって「首やカラダ全体が疲れた」、もしくはパソコンなどを長時間見ていて「目が疲れた」といったほうが正しいといえます。それらを「ほぐす」意味で歩いたり、眼球の周りをやさしく揉んでマッサージするようにしましょう。また、「仮眠」もリフレッシュには適しています。 また、脳のエネルギー源となるのはブドウ糖です。ブドウ糖はご飯やパンなどの炭水化物から作られますが、「アタマが疲れた」といってご飯をバクバク食べる・・・というのはダメ。急激に血糖値が上がるため、カラダが自然と「血糖値を下げる」物質(インスリン)を出して、ご飯を食べる前よりダルくなることも。休憩中に食べるとすればチーズをひとかけらぐらいにとどめましょう。

また、コーヒーや紅茶も有効です。その香りにより、仕事中に使っていなかった「嗅覚」が刺激されて脳の活性につながります。また、エスプレッソを煎れたり、ハーブティーを煎れるといった「作業」も有効。集中していたときとは異なる作業をすることで、脳の使用していなかった部分を刺激してくれます。




可哀想な植物「ミョウガ」


記憶力は身につけたいと思っていてもなかなか身に付かないものです。大昔、古代ローマ時代から記憶するために色々な方法が考えられてきたようです。

可哀想な植物「ミョウガ」の詳細はこちら


ミョウガの葉