解熱や利尿に用いられた生薬 |
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本格的な春の訪れを告げる野の花のひとつ、「レンゲ」。子どもの頃、一面に咲き誇るレンゲ畑で花を摘み、花冠や首飾りなどをつくって遊んだ人もいるのではないでしょうか。
レンゲはマメ科の越年生草本です。茎は根元から多数枝分かれして束状になり、地面に広がります。葉には柄があり、互い違いにつきます。春になると葉腋(葉の付け根)から高さ10〜30cmの長い柄が直立し、紅紫色や白色の蝶形花が開きます。 レンゲは中国原産ですが、日本には室町時代頃に渡来した、比較的新しい帰化植物といえます。1709年に貝原益軒が編集した『大和草本』でもレンゲのことが取り上げられていますが、詩歌に詠まれるようになったのは、江戸時代末期以降です。 「野道行けば げんげんの束 すててある」という正岡子規の句にもあるように、レンゲの日本名は「ゲンゲ」で、漢名の音読みに由来しているようです。花が輪のように並んだ様子を蓮の花に見立てて「蓮華草」、花が咲く時期に紫雲が低くたなびくことから「紫雲英(げんげ)」など、レンゲには別名が数多くあります。 「手に取るな、やはり野に置け蓮華草」という句は、野花のレンゲは野に咲いているのがふさわしく、何ごとにも相応の場所があるという意味です。レンゲの花言葉は「あなたがいれば、私の苦痛は和らぐ」「私の苦痛を和らげる」です。 出典:牧幸男『植物楽趣』 |