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生薬ものしり事典 23 血液サラサラ効果もあるネバネバ食材「オクラ」


オクラはアフリカ原産の植物で(※インド原産説もあります)、熱帯から温帯にかけての広い地域で栽培されています。エジプトでは2000年以上前から栽培されており、その後ヨーロッパに広まったといわれています。
さまざまな西洋料理に使用されるほか、ケチャップやソースの原料にもなり、ヨーロッパやアラブ諸国では、煎ったオクラの種子をコーヒーの代用にしていたそうです。
日本には明治以後に伝来し、断面がレンコンに似ていることから「陸蓮根(おかれんこん)」とも呼ばれました。昭和40年代から、もともとの英名であるオクラ(Okra)の名前で急速に普及しはじめ、現在ではネバネバ食材のひとつとして人気を集めています。

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養命酒商品開発センター 丸山徹也研究員

インド伝統医学(アーユルヴェーダ)では、オクラは体の不調を整える重要な薬用植物のひとつとして用いられています。中国ではオクラそのものを薬用とする記述は見られませんが、よく似た中国原産の植物「トロロアオイ(花オクラ)」の根が、黄蜀葵(オウショクキ)という名前の生薬として、咳を鎮めたり、尿の出方をよくしたりする目的で使用されています。

オクラ

オクラの特徴の1つはネバネバです。納豆や長芋も成分は異なりますが同じネバネバした成分があり、このようなネバネバした成分とご飯といっしょに食べると、血糖値の上昇が抑えられることがわかっています。特にオクラのネバネバにはタンパク質分解酵素も含まれるので、魚や肉の栄養素の吸収も助けてくれます。
また、ビタミンやミネラル類も豊富に含まれるので、暑い時期に体調を整えるうえで食卓に欠かせない食材となりそうです。ただし、ビタミン類は熱に弱いので、健康成分を損なわないために、短時間にさっとゆでるのがおすすめです。