HOME > 生薬百選 > 【2005年10月号】生薬百選17 防風(ボウフウ)


生薬百選17 防風(ボウフウ)


まだまだ日中は残暑が厳しいですが、朝晩めっきり涼しくなり、秋の足音が聞こえる今日この頃です。さて、今回は防風についてお話します。防風は発汗により風寒湿の三邪を除くと言われ、頭痛・めまい・関節痛の治療に用いられます。



ボウフウ(生薬)  満開のボウフウの花


私は今から13年前、鹿児島でボウフウの栽培研究を行ったことがあります。ちょっと古い写真ですが、収穫したボウフウを示しました(写真下)。一見野菜のゴボウに似ていますよね。地下60〜80cmに伸びたボウフウの掘り出しには大変苦労したことを覚えています。気候風土のせいか、野生のもの(10〜20cm)に比べ、かなり大型になりました。



収穫したボウフウの地下部


ちなみに、ボウフウは夏に白くて小さな花を咲かせます。この花はカスミソウに似ているため近所のオバサマ方に人気がありました。今年の8月に弊社中央研究所圃場の満開のボウフウの花を見て、久しぶりに当時を思い出しました。朝晩寒暖の差が大きい時期ですので、風邪などひかないように注意してください。




■ 浜崎 健二郎(養命酒中央研究所・主任研究員)
九州は鹿児島の出身で、『釣りバカ日誌』のハマチャンと同じ大の釣りキチ。 花の独身。