薬酒について

酒と生薬の出会い

生薬を発見して、次に人々が考えたことは、これをどのようなかたちにしたら、より効果的にその効用を体に取り入れることができるかということでした。

これらの薬を必要とする病人は健康な人と同じような粗い加工(料理)の仕方では体が受け付けないからです。

まず水で煮て成分を取り出し、服用する方法が考え出されました。漢方の煎じ薬(湯液)がそれであり、西洋料理のスープも薬効成分や栄養を水で煮出して病人に与えたのが始まりとされています。

また、生薬を細かくすりつぶし、粉や丸材にして服用する方法も考えられました。やがて人々は「酒服」といって、これらの薬をもう一つの薬である酒と一緒に服用する方法を試みるようになりました。

薬としての効果がより高まるのではないかとの考えからでしたが、さらにその経験と知恵を発展させて、酒の中へ直接生薬を入れ成分を取り出して服用する方法、つまり“薬酒”にして飲用する方法を編み出しました。

薬酒なるほどMEMO

香水

15世紀、フランス王アンリ二世の妃カトリーヌは従者に薬酒造りの名人を多く抱え、香りの高い香木を用いて強壮酒などを造り好評を得た。これが王侯貴族の間で反響を呼び、 薬酒造りを活発化させることになるが、今日、フランスの香水やリキュールが有名なのはこのあたりに理由があるともいわれている。

コーディアル(Cordial)

薬草類を酒に浸し、香味と甘味を加えて造られる強壮剤で一種の薬酒。あるアメリカ映画の中で、男たちが大仕事に出かけるとき仲間に “Haven't you got a little cordial or something”(コーディアルか何かないかね)という場面があった。力をつけて行こうぜというわけである。